1. はじめに

「親が亡くなった後、不動産の名義変更はどうすればいいの?」
「名義変更しないと、何か問題があるの?」

不動産を相続すると、名義変更(相続登記)をしなければなりません。
しかし、手続きが面倒だからと後回しにしてしまう人が多く、
その結果、売却できなくなる、固定資産税の支払いトラブルが発生する などの問題が起こることがあります。

今回は、不動産相続の基本と、名義変更の手続きや必要書類について詳しく解説 します。


2. 不動産の名義変更(相続登記)とは?

不動産の名義変更(相続登記)とは、
亡くなった人(被相続人)から 相続人へ名義を変更する手続き です。

📌 2024年4月から相続登記が義務化!
これまで相続登記は任意でしたが、2024年4月から義務化され、
正当な理由なく放置すると「10万円以下の過料(罰則)」が科される可能性があります。

🔹 名義変更しないと起こる問題
❌ 不動産を売却できない(名義が亡くなった人のままでは売れない)
❌ 相続人が増えてしまい、遺産分割が複雑になる
❌ 固定資産税の支払いトラブルが起こる


3. 不動産の名義変更(相続登記)の手続きの流れ

名義変更の手続きは、以下の 5つのステップ で進めます。

🔹 ステップ①:不動産の所有者を確認する

まず、亡くなった方がどの不動産を所有していたのかを確認します。

確認方法

  • 固定資産税の納税通知書(毎年4~6月に送付)
  • 登記簿謄本(法務局で取得可能)

📌 ポイント
登記簿謄本を取得すると、名義・住所・地番 などの詳細が確認できます。


🔹 ステップ②:相続人を確定する(戸籍調査)

不動産の相続人を確定するために、以下の 戸籍書類 を集めます。

必要な戸籍書類

  • 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票除票(本籍地が記載されたもの)
  • 相続人全員の住民票(新しい名義人の住所が記載されたもの)

📌 ポイント
相続人が多い場合や、被相続人の戸籍が複数の市区町村にまたがる場合は、
専門家(行政書士・司法書士)に依頼するとスムーズに進む。


🔹 ステップ③:遺産分割協議を行う(必要な場合)

📌 遺言書がある場合
➡ 遺言書に記載された通りに名義変更を進める。

📌 遺言書がない場合(法定相続)
法定相続分に従って相続登記を行うか、相続人全員で遺産分割協議を行う。

遺産分割協議書の作成が必要
相続人全員が合意した内容を文書にまとめ、全員の署名・押印(実印) をする。

📌 ポイント

  • 相続人が複数いる場合は、早めに話し合いをすることが大切!
  • 1人でも合意しないと、不動産の名義変更ができなくなる。

🔹 ステップ④:登記申請書を作成し、法務局に提出する

登記申請書を作成し、不動産の所在地を管轄する 法務局 に提出します。

必要書類

  • 登記申請書(法務局のHPでダウンロード可能)
  • 遺産分割協議書(または遺言書)
  • 被相続人の戸籍謄本・住民票除票
  • 相続人の戸籍謄本・住民票
  • 固定資産税評価証明書(市区町村役場で取得)
  • 登録免許税(不動産評価額の 0.4%

📌 ポイント
登録免許税の計算方法:
「固定資産税評価額 × 0.4%」
(例)固定資産税評価額が2,000万円の場合 → 登録免許税8万円


🔹 ステップ⑤:登記完了後、名義変更を確認する

登記が完了すると、新しい所有者の名前が記載された登記簿謄本(登記事項証明書)を取得できます。

確認方法

  • 法務局で「登記事項証明書」を取得する
  • オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)

📌 ポイント
不動産を売却する場合、名義変更が完了していないと手続きが進められない ため、早めに確認することが重要!


4. 不動産の名義変更を専門家に依頼する場合の費用

司法書士や行政書士に依頼する場合の費用の目安は以下の通り。

登記手続きの専門家費用(相場)

  • 戸籍収集・遺産分割協議書作成:5万円~10万円
  • 相続登記申請代行:5万円~15万円
  • 登録免許税(固定資産税評価額 × 0.4%)

📌 ポイント
相続登記の手続きは自分でもできるが、専門家に依頼するとスムーズに進む。
特に、相続人が複数いる場合や不動産が複数ある場合は、専門家に相談するのが安心!


5. まとめ

2024年4月から相続登記が義務化され、放置すると罰則(過料)が発生する。
不動産の名義変更(相続登記)は、5つのステップで進める。
必要な書類を早めに準備し、相続人同士で話し合いを進めることが重要。
手続きが難しい場合は、司法書士や行政書士に相談するとスムーズに進む。

「まだ名義変更をしていない」「相続登記をどうすればいいかわからない」 という方は、
早めに手続きを進めましょう!

※当事務所の相続登記については提携の司法書士が対応いたします。