1. はじめに

「うちは仲が良いから遺言書は必要ない」
「財産はそんなに多くないから大丈夫」

こう思っていませんか?

実は、相続トラブル(=争族)は財産の多い・少ないに関係なく発生します。
特に、遺言書がないと、相続人同士で遺産分割協議をしなければならず、揉める原因になることが多いのです。

今回は、
遺言書を作るべき人の特徴
遺言書がないと起こる相続トラブル事例
遺言書を作る際のポイント
について詳しく解説します!


2. 遺言書を作るべき人の特徴

🔹 遺言書がないとトラブルになりやすいケース

遺言書が必要な人の特徴なぜ必要か?
相続人が複数いる人遺産の分け方で揉めやすい
不動産を所有している人売却や分割が難しく、争いの原因になる
再婚している人(前妻・後妻がいる)法定相続人の間で権利争いが起こりやすい
子どもがいない人兄弟姉妹が相続人になり、関係が複雑化する
内縁の妻(夫)がいる人遺言書がないと相続権が認められない
相続人の関係が悪い人争族を未然に防ぐために必要
特定の人に多くの財産を残したい人法定相続分とは異なる遺産分割を実現できる

📌 ポイント
「うちは揉めない」と思っていても、お金が絡むと感情的な対立が発生しやすい ものです。
特に、不動産がある場合は、遺言書なしでは遺産分割がスムーズに進まない ため注意が必要です。


3. 遺言書がないと起こる相続トラブル事例

📌 ケース①:兄弟間での不動産トラブル

🔹 状況

  • 父が自宅(評価額3,000万円)と預金500万円を残して亡くなった
  • 相続人は長男・次男の2人
  • 遺言書がなかったため、遺産分割協議が必要に

🔹 問題点

  • 長男は「自宅を相続して住みたい」、次男は「売却して現金で分けたい」と意見が対立
  • 2年経っても協議がまとまらず、家庭裁判所の調停に発展
  • 最終的に、不動産を売却し、兄弟間で分けることになったが、関係は破綻


📌 ケース②:再婚家庭の相続トラブル

🔹 状況

  • 70代の男性が再婚し、前妻の子と後妻がいる状態で死亡
  • 相続人は、前妻の子2人と後妻(現妻)
  • 遺言書がなかったため、法定相続通りに相続することに

🔹 問題点

  • 前妻の子が「母の財産を奪われた」と主張し、後妻と対立
  • 相続協議が進まず、調停へ発展
  • 結果的に、財産のほとんどが弁護士費用に消えた


4. 遺言書を作るときのポイント

✅ ① 公正証書遺言を作成する

遺言書には3つの種類がありますが、公正証書遺言が最も確実です。

遺言の種類特徴デメリット
自筆証書遺言自分で書くだけで簡単書式ミスで無効になるリスク
公正証書遺言公証役場で作成し、原本を保管できる費用がかかる(3万~10万円程度)
秘密証書遺言遺言の内容を秘密にできる手続きが複雑で利用が少ない

📌 おすすめは「公正証書遺言」!
公証役場で作成し、無効にならない
偽造や紛失の心配がない
遺言執行者を指定でき、スムーズに手続きできる


✅ ② 遺言書に「付言事項」を入れる

遺言書には、「なぜこのような分割をしたのか」を説明する 「付言事項」 を入れることができます。

📌 例えば…

  • 「長男が私の介護をしてくれたので、自宅を長男に相続させる」
  • 「妻が安心して生活できるよう、〇〇を相続させる」

理由が書かれていると、相続人が納得しやすく、トラブル防止につながります!


✅ ③ 遺言執行者を指定する

遺言書には、財産の分配を実行する「遺言執行者」を指定できます。

📌 遺言執行者を決めるメリット
遺言書の内容をスムーズに実行できる
相続人同士のトラブルを避けられる
預貯金の名義変更などの手続きを代行できる

専門家(行政書士・司法書士・弁護士等)を遺言執行者に指定するのも有効!


5. まとめ

相続トラブルを防ぐために、遺言書を作るべき人の特徴

  • 相続人が複数いる人
  • 不動産を所有している人
  • 再婚している人
  • 子どもがいない人
  • 特定の人に多く財産を残したい人

遺言書を作るポイント

  • 「公正証書遺言」で作成する(法的に確実)
  • 「付言事項」で理由を伝える(納得感を持たせる)
  • 「遺言執行者」を指定する(スムーズな手続き)

「うちは揉めない」と思っている人ほど、遺言書を作ることで家族を守ることができます!

相続対策は早めに!遺言書作成を検討してみませんか?